【3週連続インタビュー】歌に宿る感情──紗倉おとの“弾き語り”という表現

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ユニット「-Sak-ЯmenT-」にフォーカスした、3週連続インタビュー企画。

歌・表現・音楽への向き合い方——それぞれの視点から、2人の魅力を紐解いていきます。

第1回となる今回は、弾き語りVSinger・紗倉おとさんにフォーカス。歌に込める感情や、表現へのこだわりに迫ります。

読み終えたとき、きっと「この人の歌を聴いてみたい」と感じるはずです。


■ 活動について

――まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

歌って描けて動かせる弾き語りVSinger紗倉おとです。

――VTuberとしての活動を始めたきっかけは何でしたか?

幼少のころから歌やイラストなど、いろんなことを表現できる人になりたいと思っており、それまでもいろいろなオーディションを受けていました。

あるとき、とあるプラットフォームにてVTuberの魂オーディションを見つけたことがきっかけでこの界隈に足を踏み入れました。オーディションの企画陣の中にイラストレーターや、Live2Dモデラーさんがついていて0円でVTuberになれるといったものです。私はその時にVTuberというものの存在は少し知っているくらいの認識で「タダでVTuberになれるならラッキー」くらいの気持ちで受けてましたね・・・(笑)

そのオーディションは配信をしつつポイントをランキングで競い合う形式で、1位のみに特典が付与されるというものでしたが、オーディションは残念な結果でした。その時点ではビジュアルの定まっていないいわゆる魂状態でさまよっていたため、そこで配信活動を辞めてしまってもよかったのですが、出会ってくれたリスナーや配信者の友人とのご縁を無駄にしたくない、まだやれることがあるのではと悩んでいました。

ですが配信も慣れてきたころ、セルフ受肉Vの存在を知り、「私もそういやイラスト描けたじゃん」と思い出しまして…。自分でビジュアルをつくり、Live2Dモデリングまでできたら結果0円でVになれるじゃんと。当時モデリングに関してはまったく知識がなく、今考えると無謀な挑戦でした。しかしいざ挑戦すると難しいながらもとっても楽しくて・・・完成時の周りからの反響も嬉しかったですし、だんだんとこういう表現方法もあるんだと気づいたらのめりこんでいました。その流れに乗ってYouTubeに拠点を移し、夢だったVTuberデビューをセルフで行えるようになったという流れです。

――音楽を始めたのはいつ頃からでしょうか?

ギターをきちんと弾き始めたのは大学生の頃ですが、いつから歌が好きだったのかと聞かれると、おそらく3,4歳くらいのころからです。親に「おとちゃんうた歌ってよ」と言われカメラの前で恥ずかしそうにしながらおもちゃのマイクを持って歌を歌っている幼少期の映像が残っています。


■ 弾き語りスタイルについて

――弾き語りというスタイルを選ばれた理由を教えてください。

歌自体は幼少の頃より好きでしたが、もともとギター自体馴染みがないものでした。どちらかというと習っていたピアノの方がまだとっつきやすかったと思います。

ですが、先ほどお話しさせていただいた配信型のオーディションで、1位になるにはなにか独自性がなければと考えた時に手段として選んだのがギターの弾き語りでした。父親が使っていたギターがロフトに眠っていると聞き、そのお古を借りることにして。配信を始めた時はまだCコードやDコードなど簡単なコードしか弾けなくて。ただ、毎日配信を朝晩やらないと勝ちにいけないようなオーディションだったので、配信をするごとにギターを弾いてたらだんだん出なかった音も出て、楽しんで歌えるようになりました!初期のころの“弾き語りモドキ”を聞いていてくれたリスナーさんは感謝しかないです(笑)

――弾き語りの魅力をどのように感じていますか?

バンドやカラオケはたくさんの音が重なり合う良さがありますが、弾き語りはシンプルな音1つと自分の声だけなので、雑味がなく考えてることがそのまま伝わる良さがあるのかなと思っています。特に私の配信ではピックアップが無いタイプのアコースティックギターを使っていて、歌を披露マイクでギターの生音をそのまま拾っているので、より直接思いをのせることができると思っています。

――弾き語りだからこそ届けられる“生感”や“距離の近さ”について、どのように考えていますか?

歌そのものについて、同じ曲でも毎回同じような歌い方できるものではないと思うのですが、弾き語りの場合は意図してテンポをゆるめたり、アレンジを変えてみたり、その時の気分や感じた思いをのせて生き物みたいに変わっていくことが面白いなと感じます。意図している時とそうでないときももちろんありますが、そんな時はリスナーさんから「今日の歌い方いつもと違う感じでこっちも好き」と言ってもらえたりするのでどちらにしてもしめしめと思っています。


■ 歌・表現について

――歌う際に一番大切にしていることは何ですか?

私はカバーソングが多いのも理由としてありますが、まずは自分が主人公にならないことです。これは私の考えというだけなのですが、表現の世界ではとらえ方がいくつもあるほど面白いと思っていて、「私はこういう思いで歌ってるんだよ」って曲のストーリーや思いを限定しきってしまうと聞く側の解釈って狭まってしまう気がするので・・・。理想は、聞き手がそれぞれ違う感想を持っていくれていると嬉しくなっちゃいます。

――ご自身の歌声について、どのように感じていますか?

改めて聞いてもらえると難しいですね・・・。人からどう感じてもらってるのかってそればっかり気になってしまうので自分で考えたことが無かったです。悩みますが、人に過剰に共感しやすい性格ではあるので、特に気持ちに寄り添ったあったかい歌や感情を込める歌う時は私に合っているのではないかなと思っています。

――感情はどのように歌に乗せていますか?

言葉でそれをお伝えするのは難しいのですが、カバーソングであれば、作者さんや曲の背景を勝手に想像してこんな思いで歌っているのかなと考えながら最終的には私の解釈で思うまま歌っていますが、自作の曲だったら自分の経験や価値観をそのままぶつけています。もちろん聞いてもらう側の受け取り方は人それぞれでいいです。

――表現するうえで意識していることや、こだわりがあれば教えてください。

流行り物も流行る理由があるのでもちろん素敵なんですけど、当たり前かもですけど、大前提自分が好きとか楽しい、共感できるって思えるものしか向き合えないので、そういう思いを大切にしながら表現します。その方が絶対自分が楽しくて、周りの人にも伝染すると思うので!


■ 楽曲・映像表現について

――楽曲を録音する際、どのようなテーマや感情を大切にしていますか?

とっても収録に時間がかかるタイプなので、沼にはまってしまったらいったん離れたり、全然違う曲の収録に取り掛かったりしてしまいます。客観的な視点を持つことがなかなか難しい世界なので。

――MVや動画の制作において、意識していることを教えてください。

まだ私はカバーソング動画しか作成したことはないですが、オリジナル作品の世界観を大切にしたいと思っています。もし自分の曲のMVを作ることがあったら、曲のイメージによりですが、大きな軸は定まっていても、その他はいろんな解釈ができるような意味深な雰囲気にしてしまいそうです。

――これまでの活動の中で印象に残っている出来事はありますか?

去年のリデビュー記念配信です。それまで完全セルフ受肉Vとして活動していて、これを機にイラストレーターさんが変わる大きな転機だったためです。今まで披露したことのないピアノの弾き語りをしたこともあり、かなり緊張でした。


■ おすすめ楽曲

――特に聴いてほしい楽曲を教えてください。

――その楽曲に込めた想いや、制作時のエピソードがあれば教えてください。

カバーソングなんですが、インスト制作、イラスト、MV、MIX等全て自分で制作しています。孤独を感じている人に寄り添ってくれる素敵なバラードなので、アコースティックアレンジをしてより近くで聞いてもらえるMVにできたと思います。


■ ユニット「-Sak-ЯmenT-」について

――ユニットとして活動する中で、ソロとの違いを感じる部分はありますか?

ひとりじゃない安心感が違います。先日二人でライブに出たんですが、緊張しいの私が声も震えず堂々と歌いきることができました。

――たんたんめんさんの印象を教えてください。

最初は、先ほど話したオーディションで出会っているのでライバルという印象でしたが、今は歌を歌いつつクリエイターな一面もあるので同士だと思っています。


■ 今後の活動・メッセージ

――今後挑戦してみたいことや、目標があれば教えてください。

主催歌枠リレーをいつかできたら嬉しいなというのと、YouTubeチャンネル登録者1万人突破、それから私の最終的な目標の3Dデビューをしてワンマンライブをするというのは必ず叶えたいです。

――最後に、読者やリスナーへのメッセージをお願いいします。

ここまで読んでくださってありがとうございます。普段話したこともないようなお話しを聞いていただけて嬉し恥ずかしです。興味を持っていただけたらぜひ配信に遊びに来てください。皆様と一緒に歌ったりたくさんお話しできたら嬉しいです。


■ まとめ

弾き語りというシンプルなスタイルの中で、感情や解釈の“余白”を大切にしながら歌を届ける紗倉おとさん。

その言葉や表現の端々から、“自分の感じたものをそのまま届ける”という姿勢が伝わってきました。

読み進めるほどに、その歌がどんなふうに生まれているのかが少しずつ見えてくる——そんなインタビューになっているのではないでしょうか。

次回は、ユニット「-Sak-ЯmenT-」のもう一人のメンバー、たんたんめんさんにフォーカス。音楽活動への向き合い方や、そのスタンスに迫ります。


■ リンク・クレジット

紗倉おと

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