自由を歌う社会人Vtuber・玖珂ツユネ

カテゴリ: アーティスト
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甘く可愛らしい少女のような歌声と、ハスキーで色気を帯びた大人の歌声。その両方を自在に行き来するVtuberが玖珂ツユネさんです。

2021年のデビューからまもなく5周年。社会人Vtuberとして活動を続けてきた彼女は、オリジナル曲や歌ってみたを通して、「自由に生きること」をさまざまな形で歌い続けてきました。

今回紹介するのは、5年続けてきたからこそ見えてきた玖珂ツユネさんの魅力がよく分かる3曲です。少女のような無邪気さと大人の女性の色気、そして社会の中で生きる人間の葛藤までを映し出す歌声を、ぜひ味わってみてください。

スーツに隠れたツユネさんの原点: オリジナル曲「最死」

最初に、ツユネさん初のオリジナル曲を紹介します。作曲が「忘却日記」で有名なDiaraysのコウさんということもあり、2010年代のボカロ全盛期を彷彿とさせる曲調です。

2021年10月15日に投稿されたこの曲は、デビュー3ヶ月ということもあり、非常に初々しい歌声を聴くことができます。

とはいえ、歌唱力は本物で、この曲の疾走感をノリ良く楽しめるほど安定しています。

また、ザラついた地声のかっこよさを感じられる低音と、声の抜けの聴き心地が良い高音という、ツユネさんの歌声の良いところをダイレクトに楽しめます。

特に、2:22の「いらねえわ」の色気のあるイケボからラストに向かうサビまでの部分にそうした魅力が詰まっています。

歌詞には、「再就職」や「スーツ」といったツユネさんのアイデンティティである社会人要素が盛り込まれていますが、歌詞全体は死に収束するようなダークな雰囲気をまとっています。

最後は「あれこれあーだこーだと言っても 最終的には死ぬけど 今は生きてるか」という歌詞で締めくくられています。死を見据えて今を生きようとする、いわゆる「メメント・モリ」のような感覚が奥底に流れています。

この「終わり」を見つめるまなざしは、このあと紹介する曲にも少しずつ受け継がれることで、「最死」は、玖珂ツユネというVtuberの原点ともいえるオリジナル曲となっています

破滅に誘うハスキー: オリジナル曲「Why not?」

2023年7月9日に公開されたオリジナル曲第2弾のこの曲。

現代社会でストレスフルに働く人の胸中を吐き出しつつ、「Why not?なんで辞められないの?」=「辞めてしまえばいいのに」と破滅へと誘惑する退廃的で耽美的な歌詞となっています。

MVでは、ホラーチックな電車内にネクタイをしめたスーツ姿のツユネさんがおり、赤い紐の社員証を手に持っている。その格好は、会社や労働から抜け出そうとする瞬間でありながら、どこか死を連想させるようでもあります。

曲に焦点を当てると、どっしりと低音が響く激しいロックのメロディに、ツユネさんのややザラついたハスキーがあわさることでダークな色気が漂っています

1:43からの「Why not? Why not? なんで辞められないの?」は曲調が一瞬変わることで、1:57からのラストのサビにより激しいギャップを生み出しています。加えて、それまでの大人っぽい色気ではなく、こちらに甘えるように語りかける歌声になっており、より破滅へ落ちることを魅力的に思わせます。

働く者たちの鬱憤に寄り添いつつ、それを吐き出させながら破滅へと誘う歌詞と、その世界観をハスキーな歌声で色気たっぷりに煽りながら歌う魅力的な1曲になっています。

それでも少女は自由を歌う: 人生は夢だらけ / 椎名林檎

 「Why not?」の社会の圧力から抜け出そうとする自由な姿は、ツユネさんが歌う別の楽曲では、より肯定的な形で表現されています。

最後に紹介するのは、活動3周年記念に投稿された椎名林檎さんのこの曲です。

この歌ってみたで描かれるのは、苦しさから逃れる自由ではなく、自分の人生を自分のものとして肯定する自由です。

ツユネさんは、ジャズのようなピアノのメロディが特徴的なこの曲を、甘く、時に迫力をもって歌い上げます。

ジャズを思わせる華やかなピアノに乗せて歌うツユネさんの歌声は、どこか自由奔放な少女のよう。
軽やかに世界を飛び回るような甘い歌声は、この曲の伸びやかな空気を心地よく彩っています。

0:51からの「あの人に愛して貰えない今日を」と歌う声には、”女性らしさ”というよりも恋の甘酸っぱさを楽しむ無邪気な”少女らしさ”があります。

一方で、1:34からの間奏に混ざる歌声には、軽やかに人生を重ねながら、Bメロに向かって大人になっていくような時間の流れや大人の真の強さも感じられます。

最後の2:39からの「痛感したいです」以降は、それまでの甘い歌声から一転して、ハスキーな色気をまといつつ、力強い歌声へ変化しています。

特に、2:47からの「それは人生 私の人生」と力強く歌うところは、「誰の物でもない」だけでなく、誰にも譲らないという自由に生きようとする強い意志の強さが宿っています。

夢見る少女のような無邪気さと、大人の女性の芯の強さ。その両方を行き来する甘さとハスキーさを合わせ持つ歌声が、この曲の「自由に生きる」というメッセージをより鮮やかに響かせています。

メメント・モリと自由を歌う

玖珂ツユネさんの歌声には、少女のような甘さと大人の女性の色気が同居しています。そして、その歌声が見つめているのは「自由に生きること」の難しさと尊さです。

死を見据えながらも今を生きようとする『最死』、社会に押しつぶされる心と、その圧力をゆるやかに抜け出そうとささやく『Why not?』、そして人生を肯定するように歌う『人生は夢だらけ』。

5年間の活動の中でツユネさんに歌われてきたそれぞれの楽曲は、少しずつ違う角度から「自由」を描き続けてきました。

死を見つめ、それでも自由に生きようと歌う。

そんな玖珂ツユネさんの歌声は、きっと誰かの人生にも静かに寄り添ってくれるはずです。

↓YouTubeやXのリンクはこちら↓

YouTube: https://youtube.com/@kugatsuyune?si=e22q5Z9rrddmIn6M

X: https://x.com/kuga_tsuyune?s=21&t=2_6DXv6VSr3ie6tS1lQYVw

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