希望を歌う人の歌には、いつも明るさがある――とは限りません。
「諦める方が楽だと知った」
そんな言葉から始まる歌を歌いながら、それでも誰かに希望を届けようとするVtuberがいます。メラ・アカルさんです。
2026年8月20日に活動4周年を迎え、これまでに音楽系のライブイベントであるVackON!!やぶいかふぇ、RockonVに出演してきたメラ・アカルさん。
音楽系のライブイベントであるVackON!!やぶいかふぇ、RockonVに出演するなど、生歌の歌唱力は折り紙つき。
1stアルバム『DAYBREAKERS』の発表もあり、今回の記事では、アルバムに収録されている曲の中でも、特にメラさん自身が歌詞を手がけた3曲をご紹介します。
この3曲を並べて聴くと、「僕」と「あなた」の関係が少しずつ変わっていくことに気づきます。最初は「歌う僕」と「聴いてくれるあなた」だった二人が、やがて過去の自分と現在の自分にも重なっていく。そこに見えてくるのは、ただ前向きになろうとするだけではない、メラさん独自の「希望」の形です。
彼女の想いがこもったオリジナル曲の魅力を、ぜひご覧ください。
「あなたがいるから、僕は歌える」──『僕とあなたと』
最初に紹介するのは、2024年5月5日に投稿された、メラさん最初のオリジナル曲です。この曲は、後から紹介するオリジナル曲のベースにもなっています。
冒頭の歌詞では、メラさんのVtuber活動スタイルや夢が語られています。
0:00「大丈夫さ あなたが僕を照らすから 遠く遙か 四季と巡り歌うから」と落ち着きと芯のある歌声から始まります。リスナーの応援を支えに、歌声を届け続けることが歌詞に綴られています。
さらに、0:12「夢がある 心はあなたと手を繋ぐから 一つになろう 進もう 現在(いま)を」という歌詞からは、リスナーとともに夢に向かって進もうとする姿が描かれています。
しかし、ただ明るい応援曲で終わらないのがこの曲の深みとなっています。
1:49「自分には何もないこと抱えて生きていくこと 虚勢を張る僕も愛するべきだということ」と、自らの存在意義の薄さに苦しみながらも、それを抱えた自分を愛そうとする姿が歌われます。
その直後に歌われるのが
2:00「あなたがいて やっと完成するこの人生は 大げさじゃない 夢ではないんだ」という言葉です。
何もないと思っていた自分の人生も、歌を届けたい「あなた」がいることで、夢ではなくなる。
この曲において、「あなたがいること」は、メラさんが前を向くための希望そのものなのかもしれません。
そして、その希望はメラさんからリスナーへ返されていきます。
3:18「大丈夫だ 僕があなたを照らすから 過ごした日々 決して忘れないようにさ」と歌い、
「遠く遙か 四季と巡り歌っていくから ここにいるよ いたんだよ ずっと あなたと これからも」と、これからも歌い続けることを約束して曲は幕を下ろします。
「あなたが僕を照らす」ことから始まった歌が、最後には「僕があなたを照らす」へと返っていきます。
あなたがいるからこそ、僕が歌える。
だから、今度は僕があなたを照らす。
この関係こそが、「僕とあなたと」に描かれた希望の形だといえます。
メラさんの魅力の原点をダイレクトに感じられる一曲となっています。
「諦める方が楽だった」──『Daybreaker』
1曲目の「僕とあなたと」が、活動開始時点の理想を追う姿であるとすれば、次に紹介する「Daybreaker」は、活動開始以前のメラさんを思わせる物語となっています。
この曲は、「僕とあなたと」が投稿されたちょうど1年後の2025年5月5日に投稿されました。
0:13「諦める方が楽だと知った」と弱音をこぼすように歌う声には、まるでメラさん自身がこれまでに経験してきたことを語っているかのような重みがあります。だからこそ、そんな言葉を歌うメラさんが、今はVtuberとして活動し、実際に誰かへ歌を届けていることに、この曲の「夜明け」がより身近に感じられます。
諦めが日常だった世界から抜け出すように「声を聞いてよ」と歌う声に被せるように、「(誰も聞いてない)」と、まるでメラさんの内なる声が続きます。
諦めるだけの日々から抜け出そうともがくメラさんの葛藤が歌詞から感じられます。
この葛藤を振り切って「僕が生きてる意味を 聞いてよ」と歌うメラさんの歌声には、歌に自分の生きる意味を宿しているような響きが聞き取れます。
こうした諦めと理想の間で揺れるメラさんの心の動きは、サビの歌声や歌詞からひしひしと伝わってきます。
0:44「daybreak my life なにもない僕があなたに なにができるというのかな」と無力感に苛まれて立ち止まろうとする気持ちが素直に語られる。
その直後、それでもなお「daybreak my dream 何もない僕だとしても 声の限り 歌い続けるよ」と力強く歌う声からは、前に進もうとする決意が伝わってきます。
2:37「絶望した夜も 夢を見ない過去も 僕の精一杯の人生-生き方-だった」という歌詞は、メラさんの等身大の実感でありながら、聴く者も共感できるリアルな悲しみを描いています。
それでも2:47「だけど変わったんだ 夢を見たくなったんだ!」と、これまでの生き方を抜け出していく変化が歌われます。
この変化がタイトルと重ねられ、2:52「夜明け前の僕と あなたと 朝焼けを見よう」と、メラさんの夢を追う原点として歌詞に綴られています。「僕とあなたと」と1stオリジナル曲のタイトルが引用されることで、この夜明けが、オリジナル曲を歌い始める前のメラさん自身を思わせる物語として浮かび上がります。だからこそ、現在のメラさんがこの歌を歌っている姿を重ねると、「夜明け」は単なる物語の比喩ではなく、ここまで活動を続けてきた時間そのものにも思えてきます。
この夜明けは、メラさんの中だけでは完結しません。
3:45「あなたを夜明けに導くから きっと最期の その時まで この声をあなたに 枯れるまで届けるから」と優しく歌う声からは、闇夜を抜けてきたメラさんだからこそ表現できる希望が伝わってくるようです。
諦めと理想の間で苦しむ聴き手に、寄り添いつつも希望を燈す歌声を届ける。
そんな「夜明け」の物語を、メラさん自身の姿と重ねながら味わえる一曲です。
「過去の僕も、あなたの記憶に残っている」──『世界が終わる前に、さよならという愛を。』
1曲目で「あなたがいるから僕は歌える」という現在の関係を、2曲目でそこに至るまでの「僕」の葛藤を紹介しました。最後は、その「僕」自身の過去と現在に目を向ける曲「世界が終わる前に、さよならという愛を。」です。こちらは、2026年5月16日に投稿されました。
0:20「世界のはじまりを あなたは知っているのかな」と歌う声には、どこか明るさが感じられます。
0:31「それぞれの人生-ハジマリ-にある 色づいた瞬間 あなたにとっての その夜明けは僕…だったりして」という歌詞からは、メラさんとの出会いが、リスナーにとっての「世界のはじまり」であってほしいという想いが伝わります。
しかし、出会いがあれば別れがあります。
0:50「そのとき愛いっぱいの さよならを」と、来るべき別れの時にも愛を込めることが歌われています。歌声も、落ちついて語りかけるような柔らかいものとなっています。
しかし、サビの歌詞やMVを通して描かれているのは、リスナーとの来るべき別れだけではありません。
0:58「あなたにとっての僕と 僕にとってのあなた どちらも全く違う鏡で 互いを見ているから」と歌っている場面では、モデルが変わる前と変わった後、それぞれのメラさんが互いに向き合っています。
これまでの「僕」=メラさん、「あなた」=リスナーという構図に加えて、ここでは「僕」=過去のメラさん、「あなた」=現在のメラさんという新たな構図も見えてきます。
「僕」と「あなた」が、リスナーとメラさんの間だけではなく、過去と現在の自分自身の間にも広がっています。新たなモデルへ変わったメラさんが、それまで活動してきた自分自身を振り返る歌としても読むことができます。
2:29「僕がいなくなった後でも 僕を忘れないでいて そこにいたよ あなたが覚えている限り」と歌う時、過去の「僕」が消えても、「あなた」が覚えている限り、その時間は残り続けることが語られています。
3:05「花がいつの日か散ることを知ってる だけどまた優しく咲く芽に、燈る」という歌詞も、「僕とあなたと」の歌詞「四季と巡り歌っていくから」を思わせます。
散るという終わりを受け入れながら、「また優しく咲く」と、自らの名前を使いながら、新たな始まりへと繋いでいます。
3:23「明日世界が終わっても 後悔ないと言い切りたい だって あなたと心を繋ぎ、愛を感じていたんだ」と歌い、最後には3:48「「愛してる」 僕とあなたと 「愛してる」 その先の軌跡(みち)が ずっと互いに幸せでありますようにと」と続きます。
ここでは、「僕とあなたと」が、これまでのメラさんとリスナーだけではなく、過去と現在のメラさんにも重なっていきます。
メラさん自身に向けられた別れと、リスナーとの時間に訪れる別れ。そのどちらにも、過ごしてきた時間への愛が込められています。
別れが訪れても、一緒に過ごした時間まで消えるわけではありません。
その記憶が残るからこそ、過去の自分にも、これから出会う誰かにも、愛を込めて「幸せでありますように」と歌える。
聴く者と歌う者全てに向かって、そんな希望を歌い上げる一曲です。
リスナーに等身大で寄り添う希望の歌
今回紹介した3曲は、どれもリスナーを励ますだけの応援ソングではありません。メラさん自身の姿を思わせる、まさに等身大の希望の歌です。
メラさんの歌に出てくる希望は、最初から明るい光として存在しているわけではありません。
諦めてしまいたい自分がいて、何もない自分がいて、それでも誰かと歌うことで前を向く。
いつか別れが来ても、その時間までなかったことにはしない。
だからメラさんの歌う「希望」は、暗闇を消してしまうものではなく、暗闇を通ってきた自分たちの時間を抱えたまま、次へ進んでいくためのものなのかもしれません。
また、メラさんはリスナーの応援を大切にしており、日々の応援をリスナーに返す姿勢が一貫しています。こうした温かみも、メラさんの歌の大きな魅力の一つです。
メラ・アカルさんの歌う「希望」が気になったなら、ぜひ他のオリジナル曲や歌ってみたにも耳を傾けてみてください。
🌐各種リンク🔗
オリジナル曲再生リスト: https://youtube.com/playlist?list=PLGf7CnuGT5Ho&si=R94qySuGTjRdQhLP
YouTube: https://youtube.com/@mela_akaru?si=8myxBapz0hPqIjWz
X: https://x.com/mela_akaru?s=21&t=2_6DXv6VSr3ie6tS1lQYVw
ミニアルバム『DAYBREAKERS』: https://vtubermelaakaru.booth.pm/
