■ はじめに
2026年9月にデビューした新人VTuberから、4名を紹介します。中低音のがなりでロックを歌う奏ヰラゼルさん、整った歌唱の先に自分だけの表現を期待したい天井沢依留さん、自ら作詞・作曲・編曲まで手掛ける星野ネモフィラさん、のびやかな高音とはかなさが魅力の燈華いのりさん。それぞれ違った形で音楽を表現する4名です。
本連載では、デビュー直後の配信や歌を実際に見て、これから歌を届けていく姿が見えた方を紹介しています。今回は、歌声そのものだけでなく、どんな音楽を届けようとしているのか、そしてここからどんな表現が加わっていくのかにも注目しました。
■ 今月デビューの注目VTuber
奏ヰラゼル
2026年9月5日に初配信を行った個人勢のVTuber。中低音のがなりを生かしたロックが印象に残る歌い手です。
歌を聴いてまず感じたのは、その声の響きにある力強さ。もっとラゼルさんを聴きたい、もっと歌をぶつけてほしいと思わせるものがありました。歌枠では、まだ持っている力をすべて出し切っていないように感じる場面もありますが、それだけに、これから歌の中で感情を大きくぶつけるような表現が加わっていけば、ラゼルさんならではのロックがより強く印象に残っていきそうです。いつかライブ会場で、その歌声を直接聴いてみたいと思わせてくれる存在です。
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『フューエル/鬱P feat. 初音ミク』(カバー)
ラゼルさんの魅力を引き出すロックナンバー。歌声の力強さや、楽曲の中で響く「叫び」がしっかりと感じられます。一本の作品としても完成度が高く、ラゼルさんの歌にある力を知ることのできる一曲です。
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天井沢依留
2026年9月7日に初配信を行った個人勢のVTuber。中音域を中心とした歌声で、バラード系の楽曲に魅力を感じる歌い手です。
歌を聴いて「ベースラインの歌がうまいな、いいな」と感じたのが印象に残りました。特に高音の発音がきれいで、全体のバランスも整っています。音程や高音の発音がきれいで、歌としての土台がしっかりしているからこそ、ここからさらに「これが私の歌だ」と感じられる表現が加わっていくことに期待したいところです。歌の中にある感情や思いがもう一段深く伝わるようになれば、現在の整った歌唱が、天井沢さん自身の個性としてより強く届いていきそうです。
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『カタオモイ/Aimer』(カバー)
歌唱の完成度が高く、一本の動画として感情表現や思いが伝わってくるカバーです。天井沢さんの歌声が持つきれいな高音と、バラードの持つ情緒が合わさった一曲として聴いてみてほしい作品です。
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星野ネモフィラ
2026年9月26日に初配信を行った個人勢のVTuber。歌い手としての印象に加えて、自ら作詞・作曲・編曲まで手掛ける音楽制作の力にも注目したい存在です。
今回紹介したいと思った大きな理由は、自分で音楽を作れること。デビュー時から自身の楽曲を用意し、その歌詞・作曲・編曲まで自ら手掛けています。歌声は中音域からやや低めの印象ですが、初配信ではまだ少し歌った程度ということもあり、歌枠での表現についてはこれから見えてくる部分も多そうです。一方で、歌うことを楽しんでいる様子が伝わってくる明るさも、今後ひとつの魅力になっていくのではないでしょうか。
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『プラネタリウム/星野ネモフィラ』(オリジナル曲)
作詞・作曲・編曲をすべて自身で手掛けたデビュー楽曲。歌詞や表現にしっかりと芯があり、自分の見せたいもの、届けたいものがあるからこそ、聴く人の心に届けられるものがある。そう感じられる一曲です。これからどんな音楽を紡いでいくのか、今後の作品にも注目したいところです。
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燈華いのり
2026年9月20日に初配信を行った個人勢のVTuber。中高音域を中心とした、落ち着いた歌声が魅力の歌い手です。
デビュー前から音楽作品でボーカルを担当した経験があり、歌唱は安定しています。特に高音がきれいに伸びることと、そこに重なる儚げな雰囲気が印象的。声を上へとのびやかに響かせるバラード系の楽曲との相性がよく、歌そのものにすでに確かな魅力があります。
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『鳥の詩』(カバー)
燈華いのりさんの、のびやかな高音と儚さを感じさせる表現が楽曲にぴったりと重なった一曲です。MVの作り込みや映像面も含めて完成度が高く、歌声の魅力だけでなく、ひとつの作品として楽しめる仕上がりになっています。
一方で、バラードとは異なるテンポの速い楽曲にも挑戦していくことで、現在すでに強みとしている表現の幅がさらに広がっていきそうです。これから歌う楽曲の幅が増えたとき、どのように歌声を変化させていくのかも楽しみなところです。
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■ おわりに
9月は、歌声そのものに魅力を感じるだけでなく、自分で音楽を作ることや、これから表現を広げていく余地にも注目したい新人が揃いました。
奏ヰラゼルさんは、力強い中低音の歌声をさらに感情ごとぶつけていったとき、どんなロックを聴かせてくれるのか。天井沢依留さんは、整った歌唱に「これが私の歌だ」と思わせる表現が加わったとき、どんな歌い手になっていくのか。星野ネモフィラさんは、自ら作り上げる音楽をこれからどう広げていくのか。そして燈華いのりさんは、得意とするバラードからさらに歌の幅を広げたとき、どんな表情を見せてくれるのか。
デビューしたばかりだからこそ、今の魅力だけでなく、ここから変化していく姿も含めて追いかけてみたい4名です。
